母はロマンチックな所があって、
僕が高校に入学した時にパーカーの万年筆を買ってくれた。
そして、二十歳の誕生日にはロンジンの手巻き時計を贈ってくれたのだった。
普通に考えたら、万年筆よりボールペンの方が使用頻度は高いし、
時計だって、クオーツの方が実用的だと思う。
でも、
機械式時計の裏蓋を開けてみると分かるのだが、
キラキラ光るピンク色の人工ルビーが軸受けにはめ込まれいて、
テンプやアンクルが小人のように忙しなく動いている。
そんな機械式時計には、途切れない過去からの永遠性の物語が込められていて、
あの時、僕は永遠を贈られたのだと、この歳になって始めて知った。
写真はこの前修理した60年代のセイコー。
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トコトコ (金曜日, 21 12月 2012 18:39)
きれいな時計ですね、スマホがあるから時計はシンプルなのが流行るかもしれませんね。いいお母さんですね。
yutaka-hashimoto (土曜日, 22 12月 2012 10:49)
一日に一分ぐらいズレますし、あまり実用的じゃないんですけどね。
でも、まあ、ロマンですね。