絵本の幸せ

絵本の校正をプリントアウトして、

寝る前に寝室でテキストの推敲をする。

 

ヨータがトントンと階段を上がってきて、

僕の横に座る。

顔を寄せて、クスクス笑って読み始める。

かしてかして、と校正紙を取りあげられる。

たどたどしい感じで読み始めて、

またクスクス笑う。

 

僕は幸せだなとほんの一瞬思う。

でも、その幸せは「おやすみなさい」の一言で

消される明かりと共に見えなくなって、

心の中に薄氷の様な残像として残るだけだ。

幸せは、いつもほんの一瞬で、

決して欲張ってはいけないのかもしれない。