民宿ケソコーの事

学生時代、彼女と座間味島で10日程キャンプをしました。

予定ではまだ滞在するつもりでしたが、台風が近づいてくるという事で、キャンプ場の管理人のおじさんに「あんたら帰りなさい!」と催促され、後ろ髪を引かれつつフェリーに乗船したのでした。

ところがその後、台風の進路がずれたらしく天候も回復。沖縄本島に戻ると、もう数泊したい気持ちになってきました。僕たちはどこへ向かうか決められずにいて、とりあえず安宿を探してバスターミナル付近で一泊する事に。

その時僕たちが選んだのは、一泊朝食付きで3000円(!)の民宿ケンコーという宿でした。

宿に着いてみると、階段の前に立て看板が置いてある。

 

「民宿ケソコー」

 

明らかに宿のばあさんが手書きしたきたない文字で「ン」が「ソ」になっており、中に入ると、汚れたキッチンで長期滞在のカップルと、宿主のばあさんが談笑しながら僕たちを妙な目付きで眺めている。もちろんでっかいゴキブリが出る部屋に通されて、彼女は酷く沈んでしまいました。翌日の朝食の記憶など全くありません。

 

翌朝僕らはバスで南部のキャンプ場に向かったのですが、ヤブ蚊も多いし雰囲気が暗いので(南部はひめゆりの塔とかあるからね)結局そのまま空港にとんぼ返りして、東京に帰ってきたのでした。


民宿ケソコー。

検索すると、名前と電話番号は出てくる。ってことは、まだ営業中か!?