高校時代の文化祭では、毎年恒例のブラスバンド部のドリル演奏がありました。
都心の高校だったので、猫の額ほどのアスファルトの校庭でそれは行われたのですが、クライマックスには決まって誰かが上の階からトイレットペーパーを投げたものでした。
高いビルの窓から中庭に向かってスルスル落ちていくトイレットペーパー。
誰かがひとつ落とす度に歓声が上がる。
そしてそれを制止しようとする教師たち。
なんせ当日には学校中のトイレットペーパーが予め外されたぐらいですから、僕らは暫く前からペーパーをくすねてロッカーに仕舞っておく訳です。
実にバカバカしいのですが、たまにふとそんな学校の光景を思い出します。
有楽町線の湿った空気とか、教室から見える首都高とか、友人の単車の排気音とか、落下するトイレットペーパーとか。
ちなみに安西水丸も僕と同じ高校だったんだぜ。
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