久しぶりにエヴァンスのCDを聴いてみると、よく聴いていた頃に思い描いていた夢を思い出します。安西水丸の事も。
あの頃、僕が目指していた人たちは、みんな不良でカッコよかった。
彼らは僕には知り得ない、手の届かない所に燦然と君臨して既に伝説であった。
今のオレみたいに生活に溺れて萎れてなんかいない。
結局あの夢は誰に譲ってしまったんだろう?
そして僕は誰の夢を引き継いだのだろうか?
60年代の終わりにアイガーに登頂した父は、上の山小屋に上がる時に「薪を持っていけ」と手渡されたのだそうだ。でも言葉が分からないので「そんなもんいらないよ」と断って小屋に登った所、アイガーの登山者は自分の分の薪は小屋まで自分で上げるのだと後で分かったのだという。
そういう昔話が一々面白く、僕にとっては父も既に伝説的であった。
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