僕は四人兄弟の長男で、下に妹が三人います。
そのうち長男の僕は日芸の美術、次女は多摩グラ、三女は武蔵美の視デを出ています。(一番上の妹は高卒で就職)
仕事の打ち合わせなどでそんな話になった時、人に言うと「お父さんすごい!」と驚かれたものですが、僕は今まで「ふーん、そんなもんかね」と呑気に考えておりました。
しかし自分の子供の進路を「改めて」「真剣に」考え始めたこの数日、今になってその凄さに舌を巻いておるわけです。
子供が美大に行きたいなんて言い始めたらどうしよう・・・いや、小さい頃、絵画教室に通わせたり、図工や美術の授業で表彰を受けたりしているので、必ず言い始めるに違いない・・・ブルブル・・・
だって、私立美大って4年で800万はかかるんですよ!
妹二人は浪人もしているので、一人確実に1000万はかかってる。僕は現役だけど私立高校と夜間予備校半年だったから似た様なもんでしょう。トータル3000万!!(もっとだな)
本当にありがとう。お父さん・・・
しかし実際の所、人気のデザイン科を出た妹たちは、一人は卒業後小さなメーカーの広報に入り、一人は「合わない」と教育関係の仕事に就き、二人とも今は辞めて工作好きな主婦をやっております。
そして僕的には妹二人の方が美術的才能があると思っているんだけど、一番格下の日芸に行った僕だけが広告デザイナーとなり、やっぱ「合わない」と2年で辞め、7年臥薪嘗胆してイラストレーターになった。変なの。
こういう現状を見ますとね、お父さんの3000万をドブに捨てた。とまでは言いませんが、実際のデザイナーっていうのは地味でキツイ仕事なので、性格的に合う合わないというのが大きく関係してくると思います。デザインってかっこいいし楽しいけど、いざ仕事となると、忍耐力とか会話力とかの全く別の才能も必要だから。
そこをもっと入学前に考えてあげた方がいいな。
よしんば多額の奨学金を借りて行ったとしても、上記のように就職後仕事が合わないのに辞められないという事態に陥る事も多いのです。それこそ門出から不幸だよね。
ちなみに多摩グラ卒の妹は、主婦をしながら少しイラストの仕事を受けているみたいですよ。
やっぱ兄妹揃って我が強いんでしょうかね。同じ事やっていて変なの。
お父さんごめんよ〜。
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