安岡章太郎の小説を読んでいると、戦前(戦中)の浪人生の実態と雰囲気がよく分かる。
僕は戦争中に浪人生なんてものがいたなんて想像した事もなかったが、よく考えるとそれは実際に(かなりの数)存在した筈で、しかもデカダンな著者は3浪中でも、遊郭通いしたり悪友と遊び歩いたり勝手放題している。正直、彼のような拗ねた若者目線で見ると、乱世であっても世間に対する冷めた目線は今の若者とあまり変わらない。
僕は浪人はした事がないが、その重圧を耐える日々は相当な精神力が必要であろうと思われて、一切向いていないと思われる。そういう意味では戦争中に浪人してフラフラできる彼の根性というのは相当なものだと関心したり呆れたりしながら読んでいた。
コメントをお書きください